白髪は遺伝する?メカニズムを理解して正しい対策をしよう

白髪対策

「白髪を抜くと白髪が増える」「伸びた髪の色素が抜けて白髪になる」というような話を聞いたことはありませんか?実は、このような世間に流れている白髪の常識は間違いだらけなのです。

白髪は歳を重ねるごとにどんどん増えるような気がしますが、白髪が生えるメカニズムでいえば、年齢がいくつであっても生えてくる可能性は十分にあります。

もちろん、50歳の人と10代の若い人では白髪の量は変わってきますが、10〜20歳代の健康な若者であっても白髪は生えます。このように若い人の白髪を「若白髪」といい、大きな悩みとなっている人も多く見られます。一般的には若白髪は、親から引き継いだ体質が原因で
生えやすい人とそうでもない人がいるようです。「遺伝」が関係するといわれるワケですね。

では、若白髪は一体どのような仕組みで生えてくるのでしょうか?白髪にはまだまだ解明されていない不明な部分も多いのですが、白髪が発生する理由や増える理由などを知り、白髪の予防策や対処法を見ていきましょう。

白髪ができるメカニズム

日本人の髪の色がなぜ黒いのか、あなたはご存知でしょうか?

実は、頭皮の毛穴の奥で新しく生まれたばかりの毛髪は白色なんですよ。

人間の肌には「メラノサイト」という細胞が存在し、メラノサイトが生成した髪の色の元となる「メラニン色素」の働きによって、黒や濃茶、ブラウンなどの色の髪になるのです。

日本人には濃茶や黒い髪の色の人が多いですが、その髪の色を決めるメラニン色素には、ユーメラニンとフェオメラニンという2種類に分かれます。

ユーメラニンが多く含まれた髪は、黒や濃茶のような暗い髪の色になり、フェオメラニンは赤褐色や黄色に近い色素で、フェオメラニンが多ければ多いほど、明るいブロンズのような髪の色になります。

東洋人と西洋人など人種によって髪色の系統が変わってくるのは、髪に含まれるユーメラニンとフェオメラニンの量や比率がそれぞれで違うからです。

つまり、白髪が生えてしまうのは、頭皮の毛穴の奥でメラニン色素が作られていないからなんですね。髪の色を作る働きをするメラノサイトの活動が衰えてしまうと、メラニン色素が生成されないため、髪に色がつかず白いまま生えてきます。

 

白髪が増えていく原因

加齢

人間であれば、たとえ体質や人種が違えども、年齢が上がるとだんだん白髪が増えてきます。
加齢によって細胞が老化し、メラニン色素を生成するメラノサイトの活動が衰え、メラニン色素が正常に作ることができにくくなるのです。

また、皮膚の老化は紫外線に大きく影響されます。紫外線を浴びると皮膚が老化してしまい、髪が成長するヘアサイクルの周期が乱れ、メラノサイトが成長期の髪の毛穴に供給されないケースがあります。

また紫外線によりメラノサイトの生成が妨げられることがあり、白髪が生える原因に繋がります。

 

遺伝

白髪が生えやすい人には、遺伝が大きく影響しているといわれています。若白髪と呼ばれる10~20代の若い人に生える白髪は親から受け継いだ遺伝の影響を受けている可能性が高く、まだ10代の若者であってもところどころに白髪が生えている人がいます。

若白髪は優性(顕性)遺伝といって、両親のどちらかが若白髪だった場合、50%という高い確立で生まれた子供に若白髪が遺伝します。両親のどちらかではなく、両方に若白髪が見られる家系の場合、さらに強く影響を受けるでしょう。

また、隔世遺伝といって両親には若白髪がなくてもその祖父母から代を隔てて若白髪が遺伝することもあります。

 

不規則な生活習慣

年齢も若く、家族にも若白髪の人はいないという人であっても、白髪に悩んでいる人はたくさんいらっしゃいます。そのような人は、食事や睡眠、運動などの生活習慣を一度見直してみましょう。

朝晩逆転の生活や睡眠不足、栄養の偏りなどの影響で白髪が生える可能性が考えられます。また、ストレスを抱えて悩んでいる人も白髪が生えやすい可能性があるため改善が必要です。

ストレスを感じている体は全体が緊張していて、全身の血管を収縮させてしまいます。もちろん、頭皮付近を流れる毛細血管でも血行不良が起こっています。

頭皮が血行不良になると、メラニンの合成に必要な栄養をチロシナーゼが血液から供給されず、髪に色をつけられなくなってしまうのです。

 

食生活の乱れ

食べ物の好き嫌いなどで摂取する食事が偏ると、髪の発育やメラニン色素の生成に必要となる栄養素が不足してしまいます。

髪の成長に必須とされる銅や亜鉛などのミネラル類やビタミン類、アミノ酸などはとても大切な栄養素であるため、毎日の食事でバランス良く摂取しましょう。

ダイエットにも要注意です。

食事から摂取する栄養素や食べる食材を限定するような無理のあるダイエットは、髪の発育に悪影響を与えるので注意が必要です。人間が摂取する栄養素はそれぞれ重要な役割を持っているため、その栄養素同士がお互いに良い影響を与え、支え合っています。

とくに髪の色の元になるメラニン色素の生成には欠かせない銅や亜鉛などのミネラルや、メラニン自体の材料であるチロシンやメラニンへ変換するために必要な栄養素が不足すると白髪が生えやすくなります。

1本1本の髪の毛や爪、潤った肌に必要となるケラチンを生成させるにはタンパク質が必須です。また、これらの各栄養素を運搬したり、頭皮自体の健康を守るにはビタミン類が欠かせないでしょう。

無理なダイエットや好き嫌いによる栄養素の偏りにはくれぐれも注意して、常にバランスの良い食事を摂るように意識しましょう。

髪の成長に必要となるこれらの栄養素は、頭皮の内部を広がる毛細血管を流れ毛根に運搬されますが、生活習慣の乱れや睡眠不足、悩みやストレスなどによって毛細血管は収縮してしまい、血流が悪くなってしまいます。

そのため、メラニン色素の生成に必須となる大切な栄養素が不足してしまい、白髪が増える原因になる可能性が出てくるのです。白髪を増やさないためには、生活習慣を見直し、規則正しい毎日を意識して過ごすようにしましょう。

 

睡眠不足

人間にとって、睡眠は体の疲労を回復させるためには絶対にな必要な行為で、睡眠不足に陥ると疲労からうまく回復できず、頭皮の健康にまで悪影響を及ぼします。

睡眠が不足すると、頭皮の血管が収縮するため血行が悪くなります。頭皮の内側を流れる血管の血流が悪くなると髪の発育やメラニン色素を生成するために充分な栄養を血液から受け取ることができず白髪になりやすいと考えられます。

 

慢性的なストレス

ストレスと血流の関係は、水を流すホースをイメージするとわかりやすいでしょう。
慢性的なストレスを抱えた体は、常に緊張している状態にあり体に負荷がかかっています。

ストレスを抱えた体は全身の血圧が上がっていますが、これは血管が収縮して血行が早くなるためです。例えば、ホースの先を押さえると勢いよく水が出ますね。この原理をホースから血管に置き換えて考えると、収縮した血管は内径が狭くなり血圧が上がることがわかります。

つまり、ストレスを感じた人の血管は、血圧が上がると細い血管がつぶれてしまうので、頭皮の血行が悪くなるのです。このように慢性的にストレスを抱えている人は、頭皮の血流が悪くなっている状態ですので、ストレスを解消することを意識して溜めこまないようにしましょう。

 

ストレスの発散の仕方

ストレスを発散する方法は、人それぞれですが、自分の好きなことや趣味に没頭する、スポーツなどに集中してストレスの原因になっていることを考えないようにすることが有効です。

仕事関係で抱えている課題や、人間関係の悩みのようなストレスの原因は、そもそもの根本的な問題を解決する必要があるので、周りの人にも協力してもらいストレスの解消に向き合っていきましょう。

また、時間をおけば解決するような急を要しない問題の場合は、今すぐ、焦って問題を解決しようとするのではなく適度な楽しみや運動などをすることで一時的にストレスを意識しないでおくことが最善策の場合もあります。

生きていると、さまざまな人間関係やトラブルに巻き込まれストレスを感じることも多くありますが、白髪を増やさないためにもストレスに対応できる力を備えることも重要です。

 

白髪ができてしまう原因は2種類のパターンがある

ある日、鏡を見ると突然白髪が目立つように感じたという人は、ここ最近の日常生活を振り返ってみましょう。何かしらの習慣が白髪の原因になっているかもしれません。

白髪が増える原因はいくつも考えられ、それらが積み重なり白髪を増やしているともいえます。白髪を予防して、できるだけ増やさない対策を見ていきましょう。

白髪ができてしまう原因は大きく2種類のパターンがあります。

そもそも人間の髪の色は白いのですが、本来であれば白い髪に含まれるはずの色素が入らず、色がつかないままで伸びた髪の毛なのです。色素が髪に入らない理由は、加齢などによって大きく影響されるため、年配の人に白髪の多い人が見られます。

しかしながら、10〜20代の若い人にも若白髪と呼ばれる白髪が生えることがあります。

白髪をよく見ると気づくことがあると思いますが、同じ白髪でも、髪の毛根から毛先まですべてが白いもの、根元が白く毛先は黒いもの、その逆で、根元は黒いのに毛先が白いもの、そして髪の毛1本が全体的に色が薄いものなどさまざまな状態の毛があります。

ですが、これらの髪は、総じて髪の色素が中に充分に入っていないために起こった状態です。

 

ヘアサイクルとメラノサイトの活動

髪の色素となるメラニン色素を作り出す細胞をメラノサイトといい、髪の毛を作る毛母細胞のすぐ近くにあります。

メラノサイトで髪の毛に送るメラニン色素を生成し、毛母細胞で作られた髪の毛が頭皮から外へ伸びていく前に髪の色が付きます。 髪を作る毛母細胞が活動をやめるときにメラノサイトも寿命を迎え、自然に消滅します。

髪の毛を作っている毛母細胞の活動は一定のサイクルがあります。そのサイクルには大きく分けて三段階があり、髪が成長し続ける成長期、成長を休止して衰えて抜ける準備をしていく退行期、完全に成長をストップし髪が抜け落ちる休止期があります。

髪の成長はこれらのステップを繰り返して行われますが、この成長周期を「ヘアサイクル」といいます。ヘアサイクルの期間は、成長期は4~6年、退行期は2週間前後、休止期は数か月程度とされています。

つまり、新しく生えてきた髪が自然に抜けるまでには約7年に期間がかかり、その長い成長期の間は、メラノサイトが常にメラニンを生成し髪の毛に供給し続けているのです。その活動のおかげで人間の髪の毛は色がついた状態で生えています。

ただし、なんらかの理由により、髪の毛の成長期の間にメラノサイトが寿命を迎えると、髪の毛にメラニン色素の供給ができなくなって髪に色がつかなくなります。

このようなケースでは「毛先は黒くて根元が白い」白髪になります。

また、メラノサイトの働きが弱くメラニン色素の力が弱いと、本来の髪の色よりも薄い色の髪の毛が生えてきます。髪の色が薄いのは「メラニンが少ないから薄いからというわけではなく、メラニンの弱さが原因です。

たまに、毛先が白く、根元に再び黒い色がついて伸びるケースもあります。

基本的に、一度白髪になった髪の毛は新たにメラノサイトが再生されることはありません。ですが、白髪に再び色がついて伸びた髪の毛は、消滅したメラノサイトが再生したのではなく、一時的にメラノサイトにトラブルが起きて白髪になったが、メラニンを作れない状態から正常に回復したと考えられます。

メラノサイトの働きが正常に回復してメラニンが再び生成できるようになると髪に色がついて、毛先は白いが根元は黒い髪の毛になります。

ヘアサイクルの成長期とメラノサイトの活動時期は同時に行われ、髪の成長期の間はメラノサイトも髪の根元で活動し、成長期が終わる頃にはメラノサイトも活動を終了します。

すべての成長段階を正常に終えた場合、成長期の終了と同時にメラノサイトも消滅したため、抜け毛の根元は白くなっています。

ただし、メラノサイトの活動が正常に行われなかった場合は白髪としてそのまま伸びていきます。それは、何らかの問題が発生し、成長期にメラノサイトが早く消滅すれば、髪の色素が供給されず白髪として伸びてしまうのです。

 

メラニン色素が生成されていない

メラノサイトでは髪の毛に送るメラニン色素を生成しますが、メラノサイトが活動していても、何らかの問題でメラニン色素の生成が正常に行われなかった場合は髪に色がつきません。

メラニン色素は「チロシナーゼ」という酵素が活動することによって生成されますが、チロシナーゼが活動していなかったり、色素が供給されなかった場合にはメラニンは髪の毛に入らず白いままで生えます。

ただし、メラノサイト自体は消滅しておらず活動しているので、チロシナーゼの活動が正常に戻れば、再びメラニンが合成されて髪の毛に色が含まれた状態で生えてくる可能性があります。

メラニン色素にはユーメラニンとフェオメラニンという2種類があり、この2種類の色素の配合量が変わると髪の色も変わります。人間の髪の色がそれぞれ人によって違うのは、ユーメラニンとフェオメラニンの色素が配合されるバランスが個々に差があるからです。

同じ人でもユーメラニンとフェオメラニンの配合バランスが変わると、本来のその人の髪の色と違う色の髪が生えることもあります。髪の色が赤かったり、色が薄かったり、くすんだように見えるのはメラニン色素の配合バランスが崩れた状態で髪が伸びているということです。

 

病気などによるホルモンの影響

重い病気を患ったことが原因で白髪が増えることがあります。

メラニンの合成は、正常に機能している甲状腺ホルモンの働きが非常に重要で、甲状腺機能低下症など病気にかかり、新陳代謝が悪くなると体の冷えや慢性疲労を感じやすく、便秘気味になって白髪も増えやすくなります。

 

白髪が増えた時の対処法

白髪の本数が少ないうちは根元からカットする

遺伝による白髪を根本的に解決することは難しいと言えます。ですが、白髪の本数が少ないうちは、気になる白髪を頭皮近くでカットするとよいでしょう。白髪を抜く行為は、頭皮に負担をかけてしまい炎症などのトラブルの原因にもなりかねませんので注意してください。

 

白髪の本数が多くなってきたら染める

白髪が広範囲に増えてしまった場合は、カラーリング剤や白髪用シャンプー、トリートメントなどを使用して白髪を染めてもよいでしょう。

ただし白髪染めは、頭皮を刺激することになり髪の発育やメラノサイトの活動を妨げる可能性がありますので、あまり頻度を多く続けるのではなく、髪や頭皮へのダメージを考えて1~2か月に1回にするなど目安にして染めるようにしましょう。

ただ、対策を打てない白髪も残念ながらあります。
それは、白髪が生える原因のうちの「加齢」と「遺伝」です。

加齢による白髪の発生は身体が老化することに伴って、メラニンの生成も追い付かず、メラノサイトの再生ができなくなったというようなことが原因と考えられます。特に、35歳以降あたりで、側頭部から頭頂部にかけて白髪が増える人が多く見られます。

また、遺伝は白髪の生えやすさに大きく影響があり、父母のどちらかあるいは両方に白髪の人が多い家系であれば子供も白髪になりやすいでしょう。

このように、加齢や遺伝による白髪は元の髪の色に戻すことはなかなか難しいのですが、白髪を増やすリスクを軽減することはできます。

白髪は頭皮の血行が悪いなど、健康状態が思わしくない場合に起こります。そのため、頭皮を健康な状態にしておくことで白髪の要因を軽減させることが可能ということです。

特に、頭皮の血行が悪くなると栄養が行き届かず、白髪が増える原因に繋がりますので、頭皮の血行をよくすることが重要です。頭皮の内側に流れる毛細血管はかなり細いので、血行不良の影響はもろに出ます。睡眠不足や運動不足は血行不良の原因になりますので注意しましょう。

 

紫外線をできるだけ浴びない

太陽光線である紫外線は皮膚の老化を進めてしまいます。頭皮に長時間、紫外線を浴びるとメラノサイトの活動に影響がでて、白髪が生える可能性が高まります。
紫外線には、帽子をかぶったりUVカットスプレーを使ったりして対策しましょう。

 

スタイリング剤などの整髪料の負担を減らす

髪用のワックスなど整髪料を使った後は、必ず入浴して頭皮に整髪料が残らないようにシャンプーで洗い落とします。その際にシャンプーのすすぎ残しがあると、頭皮に負担がかかりますのでしっかりとすすぎましょう。

 

喫煙や過度な飲酒は慎む

過度の飲酒は体内に多くの有害物質を吸収させ、喫煙は体内の血行不良の元となり害が多く、体内に入った有害物質を無害化するためにビタミン類やミネラルをたくさん消費します。せっかく摂取したビタミン類やミネラルは、頭皮を健康に保ち、栄養供給を担う役割を持っていながら、喫煙することでこれらの必要な栄養素が消費されてしまい効果が期待できなくなってしまいます。

 

入浴後は髪をしっかり乾燥させる

シャンプーした後、髪をそのまま濡れた状態にしておくと頭皮に雑菌が繁殖してしまいます。入浴後はしっかりタオルドライしドライヤーを使って乾燥させましょう。

 

生活習慣を改善する

極端なことを言えば、白髪は健康的な日常生活を送ることで減らすことができます。不健康で不摂生を続けている生活の結果として起こるものと考えると、健全な毎日を過ごすことがいかに大切かがよくわかりますね。

健康で美しい髪をキープし続けるには、日頃の心と身体の健康が何よりも重要です。白髪の発生は、ストレスや睡眠、食生活など毎日の生活習慣に大きく影響を受けます。

心身から負担を軽減させてストレスとうまくつきあい、休日には自分の好きなことをしてリフレッシュしたり、親しい人に悩みを聞いてもらうなどして自分にあったストレス解消法を見つけましょう。

睡眠不足や運動不足や体調を悪化させるだけでなく、頭皮の血行にも良いことはありません。

運動不足解消には、軽いジョギングやサイクリングなどがオススメです。できるだけ長い時間、軽度の有酸素運動が効果的で、1週間に1時間ほど息が弾んで汗ばむ程度の運動量がいいでしょう。1週間にトータルで1時間ん程度の運動で良いので1日30分程度の運動を週に2~3回ほどすれば合計1時間になります。

無理のない程度の運動から始め、運動することが楽しくなるように続けることがポイントです。

また、 睡眠不足の人は、睡眠時間を長くすることだけでなく睡眠の環境や質をよくすることが重要です。 寝る前に悩みや考え事など、脳を刺激するようなことは控え、リラックスを心がけましょう。

 

 

タイトルとURLをコピーしました